更年期のむくみに効くツボは?足・手のツボを解説

こんにちは!鹿児島の不眠専門 ZEN鍼灸接骨院の栫漸(かこいぜん)です。更年期に入り、夕方になると足がパンパンになったり、朝起きると顔がむくんでいたりといったお悩みはありませんか。その不快な症状は、女性ホルモンのバランスの変化が関係しているかもしれません。

この記事では、更年期のむくみに効くツボについて、ご自身で簡単に試せる手のツボや足のツボを中心に詳しく解説します。また、ツボ押しだけでなく、ホットフラッシュのような他の不調にも触れながら、日々の生活で取り入れたい食べ物やおすすめのお茶もあわせてご紹介します。つらいむくみを和らげ、少しでも快適な毎日を送るためのヒントがきっと見つかるはずです。

この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。

  • 更年期にむくみが起こりやすくなる原因
  • 自分で押せる足と手の具体的なツボの位置と押し方
  • ツボ以外のセルフケア方法(食事・飲み物・生活習慣)
  • 症状が改善しない場合の専門的な選択肢

女性ホルモンの乱れがむくみの原因

更年期にむくみが起こりやすくなる主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少にあります。エストロゲンが減少すると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールしているため、この働きが乱れると血流が悪化し、結果として体内の水分が滞り、むくみや冷えといった症状を引き起こすのです。

また、加齢に伴う筋力の低下も無視できません。特にふくらはぎの筋肉は、重力に逆らって血液を心臓へと送り返す「ポンプ」の役割を担っています。この筋力が衰えると、血液やリンパ液の流れが滞りやすくなり、足を中心にむくみが生じやすくなります。

このように、更年期のむくみはホルモンバランスの変化と身体的な変化が複雑に絡み合って生じる症状と言えます。ただし、これらの症状は体が新しいホルモンバランスに慣れていくことで、次第に落ち着いていくことが一般的です。

自宅でできる!更年期のむくみに効くツボ

  • まずは覚えたい更年期に効くツボ【足】
  • 手軽に押せる更年期に効くツボ【手】
  • ツボ押しの効果を高めるためのコツ
  • ホットフラッシュにも効くツボ

まずは覚えたい更年期に効くツボ【足】

まずは覚えたい更年期に効くツボ【足】

足には、更年期のむくみ改善に効果が期待できるツボがいくつか存在します。足のツボを刺激することで、滞った血流やリンパの流れを促進し、体内の余分な水分や老廃物の排出を助ける働きが見込めます。ここでは、特に代表的な3つのツボをご紹介します。

ツボの名前場所期待できる効果
三陰交(さんいんこう)内くるぶしの一番高いところに小指をあて、指4本分上がった骨のすぐ後ろ。冷えやむくみ、生理トラブルなど女性特有の症状全般に効果的。「万能のツボ」とも呼ばれる。
陰陵泉(いんりょうせん)ひざ下の内側で、すねの骨をなで上げていくと指が止まるくぼみ。体内の余分な水分を排出する効果が高く、「湿気取りのツボ」とも呼ばれる。胃腸の不調にも良い。
足三里(あしさんり)ひざのお皿の外側下から指4本分下がったあたり。疲労回復や体全体の調子を整える「養生のツボ」。体調を整えることで、むくみの改善にもつながる。

これらのツボは、親指の腹を使って「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで、ゆっくり5秒ほどかけて押し、ゆっくり離すのが基本です。これを1箇所につき5回程度繰り返しましょう。お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うとより効果的です。ただし、食後すぐや飲酒時、妊娠中のツボ押しは避けるようにしてください。

手軽に押せる更年期に効くツボ【手】

手軽に押せる更年期に効くツボ【手】

足のツボと同様に、手のひらにも更年期の不調にアプローチできるツボがあります。手のツボは、仕事の合間や移動中など、場所を選ばずに気軽に押せるのが大きなメリットです。ここでは、特に覚えておきたい2つのツボを紹介します。

少府(しょうふ)

少府(しょうふ) ツボの場所

手を軽く握ったときに、小指と薬指の先端が当たる場所にあります。このツボは、骨盤のゆるみからくる頻尿や尿もれといった、更年期世代に多い尿トラブルの改善に効果が期待できます。また、膀胱に溜まった熱を取り除く作用もあるとされ、膀胱炎の緩和にも役立つと言われています。

内関(ないかん)

内関(ないかん)ツボの場所

手首の横じわの中央から、指3本分ひじ側へ進んだところにあるツボです。内関は自律神経のバランスを整える働きがあり、ホルモンバランスを安定させる効果が見込めます。そのため、むくみだけでなく、イライラや不安感、動悸といった精神的な不調を和らげ、リラックス効果をもたらしてくれます。

手のツボを押す際も、足と同様に親指の腹を使い、心地よいと感じる圧で5秒ほどゆっくり押すことを数回繰り返しましょう。

ツボ押しの効果を高めるためのコツ

ツボ押しの効果を高めるためのコツ

ツボ押しは、ただやみくもに押すだけではなく、いくつかのポイントを意識することで、その効果をより一層高めることができます。

まず大切なのは、リラックスできる環境で行うことです。心と体が緊張している状態では、ツボへの刺激がうまく伝わりません。お風呂上がりや就寝前など、ゆったりとした時間を見つけて実践するのがおすすめです。

次に、押す時の力加減です。強ければ強いほど効果があるというわけではありません。むしろ、強すぎる刺激は筋肉を傷つけたり、あざになったりする原因にもなります。ご自身が「痛いけれど気持ちいい」と感じるくらいの圧が最適です。

また、息を止めず、ゆっくりと呼吸をしながら行うことも意識してください。息を吐きながらゆっくりとツボを押し、息を吸いながら力を抜くというリズムを繰り返すと、心身ともにリラックスしやすくなります。

皮膚への負担を軽減するために、ボディクリームやマッサージオイルを使用するのも良い方法です。滑りが良くなることで、スムーズに圧をかけることができ、肌を優しく保護します。これらの小さな工夫を重ねることで、ツボ押しの効果を最大限に引き出すことが可能になります。

ホットフラッシュにも効くツボ

更年期の代表的な症状であるホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)に悩まされている方も多いでしょう。ツボの中には、むくみだけでなく、このような症状の緩和に役立つものもあります。

三陰交(さんいんこう)

三陰交(さんいんこう)ツボの場所

前述の通り、足のむくみや冷えに効果的な三陰交ですが、実はホットフラッシュの緩和にも効果が期待できる万能のツボです。ホルモンバランスを整える働きがあるため、急なほてりやのぼせといった症状を和らげるのに役立ちます。

百会(ひゃくえ)

百会(ひゃくえ)ツボの場所

頭のてっぺん、左右の耳の先端を結んだ線と顔の中心線が交差する場所にあります。百会は自律神経を安定させる効果が高いとされ、のぼせやイライラ、不安感、不眠といった精神的な不調全般にアプローチできます。

膻中(だんちゅう)

膻中(だんちゅう)ツボの場所

胸の中央、左右の乳頭を結んだ線の真ん中に位置するツボです。気の滞りを解消し、胸の圧迫感や息苦しさを和らげる働きがあります。ストレスや不安を感じた時にここを優しくマッサージすると、気持ちが落ち着きやすくなります。

これらのツボを日々のセルフケアに取り入れることで、ホットフラッシュの頻度や強さを軽減できる可能性があります。

更年期のむくみ対策はツボ押し以外も

  • 体の内側からケアする食べ物
  • むくみ改善におすすめのお茶
  • 運動や入浴で血行を促進しよう
  • 専門的なケアなら鍼灸治療も効果的
  • まとめ:更年期のむくみはツボで賢く対処

体の内側からケアする食べ物

体の内側からケアする食べ物

ツボ押しによる外側からのアプローチに加え、食生活を見直して内側からケアすることも、更年期のむくみ対策には不可欠です。特に意識したいのは、塩分(ナトリウム)の排出を助ける「カリウム」を豊富に含む食品を積極的に摂ることです。

カリウムは、ほうれん草やアボカド、バナナ、キウイ、いも類などに多く含まれています。水に溶けやすい性質があるため、生で食べられる果物や、蒸したり焼いたりする調理法が効率的です。

また、薬膳の考え方では、体内の余分な水分を排出する働きのあるトウモロコシ、はと麦、小豆、大豆などもおすすめです。これらを食事に取り入れるのが難しい場合は、お茶として摂取するのも良いでしょう。

一方で、むくみの原因となる塩分の摂取は控えることが大切です。加工食品やインスタント食品、外食は塩分が多くなりがちなので注意が必要です。出汁や香辛料、香味野菜などを上手に活用し、薄味でも美味しく食べられる工夫を心がけましょう。

むくみ改善におすすめのお茶

むくみ改善におすすめのお茶

むくみが気になる時は、日々の水分補給で飲むお茶を見直してみるのも一つの方法です。利尿作用があったり、体を温めたりするお茶を選ぶことで、むくみの改善をサポートできます。

特におすすめなのは、カフェインを含まずカリウムが豊富なルイボスティーや麦茶です。カフェインには利尿作用がありますが、体を冷やす側面もあるため、冷えを伴うむくみを持つ方はノンカフェインのお茶が良いでしょう。

体を温める効果を期待するなら、黒豆茶やあずき茶も選択肢になります。血行を促進し、巡りを良くすることで、むくみの解消に役立ちます。

また、漢方の考えに基づいた薬膳茶も有効です。例えば、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は血行を良くして体を温め、冷えやむくみを和らげることで知られています。自分の体質に合ったお茶を見つけることも、むくみ対策の重要なステップとなります。

運動や入浴で血行を促進しよう

運動や入浴で血行を促進しよう

生活習慣の改善も、更年期のむくみ対策には欠かせません。特に、適度な運動と体を温める入浴は、血行を促進し、むくみにくい体を作る上で非常に効果的です。

運動は、ふくらはぎの筋肉を刺激し、血液を心臓に戻すポンプ機能を高めることが目的です。大がかりなトレーニングは必要なく、ウォーキングや軽いジョギング、かかとの上げ下げ運動など、無理なく続けられるものから始めましょう。隙間時間を見つけて体を動かす習慣をつけることが大切です。

入浴は、シャワーだけで済ませるのではなく、38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。体を芯から温めることで血管が広がり、全身の血流が改善されます。また、リラックス効果によって自律神経のバランスが整い、むくみだけでなく、不眠やイライラといった他の更年期症状の緩和も期待できます。

これらの習慣を日常生活に取り入れることで、ツボ押しや食事改善の効果をさらに高めることができるでしょう。

専門的なケアなら鍼灸治療も効果的

セルフケアを続けてもなかなかむくみが改善しない場合や、より専門的なアプローチを試したい場合は、鍼灸治療も有効な選択肢の一つです。

東洋医学に基づく鍼灸治療は、特定のツボに鍼(はり)や灸(きゅう)で刺激を与えることで、気血の流れを整え、体全体のバランスを調整することを目指します。更年期のむくみに対しては、自律神経やホルモンバランスを整え、血流を改善することで症状の緩和を図ります。

特に、水分の代謝を調整する「復溜(ふくりゅう)」や、前述の「三陰交(さんいんこう)」といったツボが治療によく用いられます。鍼灸師が一人ひとりの体質や症状に合わせて最適な施術を行うため、根本的な体質改善が期待できるのが大きなメリットです。

もちろん、鍼灸治療の効果には個人差があり、一度の施術で劇的に改善するわけではありません。継続的な治療が必要になる場合が多いですが、西洋医学の治療と併用することも可能です。つらい症状に悩んでいる場合は、専門の鍼灸師に相談してみるのも良いでしょう。

まとめ:更年期のむくみはツボで賢く対処

この記事では、更年期のむくみに効くツボや、その他のセルフケアについて解説しました。最後に、本記事の要点を以下にまとめます。

  • 更年期のむくみは女性ホルモンの減少が主な原因
  • 自律神経の乱れや筋力低下もむくみに関係する
  • 足の「三陰交」は女性の不調に効く万能のツボ
  • 足の「陰陵泉」は体内の水分排出を助ける
  • 手の「少府」は尿トラブルにもアプローチできる
  • 手の「内関」は自律神経を整えリラックス効果がある
  • ツボ押しは「痛気持ちいい」強さで呼吸を止めずに行う
  • クリームやオイルを使うと肌への負担が減る
  • ホットフラッシュには頭の「百会」も有効
  • 食事ではカリウムを多く含む食品を意識する
  • 塩分の多い加工食品や外食は控える
  • 飲み物はノンカフェインのルイボスティーや麦茶がおすすめ
  • ウォーキングなどでふくらはぎの筋肉を動かす
  • ぬるめのお湯にゆっくり浸かり体を温める
  • セルフケアで改善しない場合は鍼灸治療も選択肢になる

執筆・監修

栫 漸(かこい ぜん)

栫 漸(かこい ぜん)

「眠れない夜を、もう終わりにしませんか。」

かつて私自身、過労とストレスで眠れない日々を過ごしました。
疲れているのに眠れない、朝はだるく気力も出ない…。そのつらさを経験したからこそ、同じように不眠症でお悩みの方の改善をお手伝いしたいと思い、この道を志しました。

鹿児島にある当院では、自律神経の調整×WHO(世界保健機関)でも認められている不眠のツボ×睡眠習慣の指導による不眠症根本改善を目的とした鍼灸施術を提供しています。

不眠症の背景にある自律神経の乱れやホルモンバランス、日常のストレスを丁寧に整え、自然に眠れる力を呼び起こし心と体を本来のリズムへ導きます。

■資格・実績
・国家資格4種(鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)
・睡眠の専門資格(日本睡眠機構 睡眠検定1級・スリーププランナー)
・10年以上の臨床実績/Googleクチコミ評価5.0(満点)


眠れない夜を重ねている方へ。
鹿児島で不眠症改善をめざす鍼灸院として、安心してお任せいただける環境をご用意しています。
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